手形基準について
【手形基準とは?】
手形基準とは、手形で支払う場合の基準額のことを意味します。
[業者登録]-『支払情報』の「手形基準額」で業者別に基準額を設定することができます。
[初期設定]-『支払情報』の「手形基準額対象」では、[支払査定(工事/部門別)]-『内訳』における手形基準額の算出対象を
設定することができます。
[初期設定]-『支払情報』の「取極外の手形基準」では、発注を切っていない仕入に対する手形基準額の算出対象を
設定することができます。
各項目の算出対象に関しては、以下をご覧ください。
1. 「手形基準額対象」の算出対象
「手形基準額対象」では、「業者単位」「明細単位」「合計のみ業者単位」の算出対象から選択できます。
各設定により、手形基準額と比較する金額は以下のように変わります。
(例)支払査定:「工事単位」、手形入力:「する」、計算対象:「仕入額」、計算対象(税込/税抜):「計算対象の税込額で計算」
業者A 現金振込種別:「現金」、手形基準額1:「1,000,000」手形率:「50%」、手形基準額2:「0」手形率「0%」
(支払額100万円以上:手形率50%、支払額100万円未満:手形率0%)
〈仕入〉
工事 |
金額(税込) |
A工事 |
900,000 |
B工事 |
1,000,000 |
〈支払査定〉
①「手形基準額対象」:「業者単位」の場合
査定方法が「業者単位」の場合、手形入力は「しない」のみ選択可能です。
その為、支払査定では手形金額は計算されず、支払確定で計算されます。
工事 |
支払予定額 |
A工事 |
900,000 |
B工事 |
1,000,000 |
②「手形基準額対象」:「明細単位」の場合
明細ごとに支払予定額と手形基準額を比較します。
工事 |
支払予定額 |
手形 |
現金 |
A工事 |
900,000 |
- |
900,000 |
B工事 |
1,000,000 |
500,000 |
500,000 |
A工事:支払予定額(90万円)と手形基準額を比較し、手形基準額1(100万円)より少額の為、
手形率は0%になり、手形金額は0円になります。 (90万円×0%=0円)
B工事:支払予定額(100万)と手形基準額を比較し、手形基準額1(100万円)以上の為、
手形率は50%になり、手形金額は50万円になります。 (100万円×50%=50万円)
③「手形基準額対象」:「合計のみ業者単位」の場合
合計支払予定額と手形基準額を比較します。
工事 |
支払予定額 |
手形 |
現金 |
A工事 |
900,000 |
450,000 |
450,000 |
B工事 |
1,000,000 |
500,000 |
500,000 |
A工事:合計支払予定額(90万円+100万円=190万円)と手形基準額を比較し、手形基準額1(100万円)以上の為、
手形率は50%になり、手形金額は45万円になります。 (90万円×50%=45万円)
B工事:合計支払予定額(90万円+100万円=190万)と手形基準額を比較し、手形基準額1(100万円)以上の為、
手形率は50%になり、手形金額は50万円になります。 (100万円×50%=50万円)
〈支払確定〉
①「業者単位」の場合
業者 |
支払額 |
手形 |
現金 |
業者A |
1,900,000 |
950,000 |
950,000 |
②「明細単位」の場合
業者 |
支払額 |
手形 |
現金 |
業者A |
1,900,000 |
500,000 |
1,400,000 |
③「合計のみ業者単位」の場合
業者 |
支払額 |
手形 |
現金 |
業者A |
1,900,000 |
950,000 |
950,000 |
2. 「取極外の手形基準」の算出対象
「取極外の手形基準」では、「業者単位」「明細(工事)単位」のどちらかを選択できます。
各設定により、取極外原価分の支払において、手形基準額と比較する金額は以下のように変わります。
(例)支払査定:「注文番号単位」、手形入力:「する」、計算対象:「仕入額」、計算対象(税込/税抜):「計算対象の税込額で計算」
業者A 現金振込種別:「現金」、手形基準額1:「1,000,000」手形率:「50%」、手形基準額2:「0」手形率「0%」
(支払額100万円以上:手形率50%、支払額100万円未満:手形率0%)
〈発注〉
注文番号 |
工事 |
金額(税込) |
手形率 |
1 |
A工事 |
700,000 |
80% |
〈仕入〉
工事 |
金額(税込) |
注文番号 |
A工事 |
700,000 |
1 |
A工事 |
900,000 |
- |
B工事 |
1,000,000 |
- |
〈支払査定〉
①「取極(発注)外の手形基準」:「業者単位」の場合
取極外の明細は、取極外の合計支払予定額と手形基準額を比較します。
番号 |
工事 |
注文番号 |
支払予定額 |
手形 |
現金 |
1 |
A工事 |
1 |
700,000 |
560,000 |
140,000 |
2 |
A工事 |
- |
900,000 |
450,000 |
450,000 |
3 |
B工事 |
- |
1,000,000 |
500,000 |
500,000 |
取極内原価 A工事(番号:1):発注の手形率(80%)をもとに手形金額を計算します。
(70万円×80%=56万円)
取極外原価 A工事(番号:2):合計支払予定額(90万円+100万円=190万円)と手形基準額を比較し、
手形基準額1(100万円)以上の為、 手形率は50%になり、手形金額は45万円になります。
(90万円×50%=45万円)
B工事(番号:3):合計支払予定額(90万円+100万円=190万)と手形基準額を比較し、
手形基準額1(100万円)以上の為、手形率は50%になり、手形金額は50万円になります。
(100万円×50%=50万円)
②「取極(発注)外の手形基準」:「明細(工事)単位」の場合
取極外の明細は、明細ごとに支払予定額と手形基準額を比較します。
番号 |
工事 |
注文番号 |
支払予定額 |
手形 |
現金 |
1 |
A工事 |
1 |
700,000 |
560,000 |
140,000 |
2 |
A工事 |
- |
900,000 |
- |
900,000 |
3 |
B工事 |
- |
1,000,000 |
500,000 |
500,000 |
取極内原価 A工事(番号:1):発注の手形率(80%)をもとに手形金額を計算します。
(70万円×80%=56万円)
取極外原価 A工事(番号:2):支払予定額(90万円)と手形基準額を比較し、
手形基準額1(100万円)より少額の為、手形率は0%になり、手形金額は0円になります。
(90万円×0%=0円)
B工事(番号:3):支払予定額(100万)と手形基準額を比較し、
手形基準額1(100万円)以上の為、手形率は50%になり、手形金額は50万円になります。
(100万円×50%=50万円)